切断された地層が約600メートル続く光景は見る者を圧倒する。その姿から「バウムクーヘン」とも呼ばれるが、確かによく似ている=東京都大島町(大里直也撮影) 東京から高速船で約2時間、首都の南120キロに浮かぶ大島。伊豆諸島最大の島の南西部には高さ約30メートル、長さ約600メートルに及ぶ巨大な地層の切断面が広がる。幾層にも重なったしま模様が、波打つように連なる光景は圧巻の一言。その姿から「バウムクーヘン」とも呼ばれる。 伊豆大島は昭和61年、三原山の噴火で当時の全島民約1万人が避難したことで知られる。島の人にはやっかいな存在だが、芸術的な風景をもたらしたのも火山の三原山。度重なる噴火で地表に吹き出した火山灰が波形の土地に降り積もり、長い年月をかけて作り上げられた。 露出している最下層部分は約1万5000年~約2万年前のもので、地下にはさらに5000年分の層がある。噴火の規模や性質など