4月3日午後、東京都文京区の学校法人「郁文館夢学園」は、"晴れの舞台"を迎えていた。創立120周年の記念式典が催された学校前では、同校の理事長を務める渡邉美樹氏が、テレビでもおなじみの笑顔を浮かべて来賓や保護者を出迎える--しかし、その場に学校にとって"ナンバー2"であるはずの一人の男の姿はなかった。渡邉氏の側近で常務理事だった石田勝紀氏(41)である。 1カ月ほどさかのぼった3月1日正午過ぎ。高校の卒業式を終えた理事長室で、渡邉氏は石田氏に向かってこう厳命を下していた。 「(午後の)謝恩会なんか出なくたっていいから、何がなんでも『示談書』を取ってくるんだ!」 7年にわたって渡邉氏に仕えてきた石田氏は、そう言われて学校を出た後、戻ることはなかった。夜になってから、渡邉氏の携帯電話に一通のメールが入った。 〈今日で辞めます。引き継ぎは済んでいます。お世話になりました〉 詳しい理由は記されてい