古賀茂明(こが・しげあき) 1955年長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、通商産業省(現・経済産業省)入省。2011年9月退官。現在、古賀茂明政策ラボ代表。著書『日本中枢の崩壊』(講談社文庫)ほか多数。 日本が生き残るには 安倍政権になってから、急に世の中の雰囲気が明るくなりました。日本の景気は海外要因に大きく左右されています。今回の景気回復は消費主導と言われていますが、きっかけは、アベノミクスで円安が進んだことです。自動車メーカーなどの利益が大幅に増加し、一部の業種でボーナスが増え、これが消費にも反映されました。 しかし、それらのメーカーがやっていることは、価格競争に過ぎません。つまり、輸出価格が安くなるから円安で喜んでいるのです。 ですが、歴史的に見ると、価格競争をしている限り、必ず後発の発展途上国にある新興企業に追いつかれ、追い越されることになります。新興企業の商品価格は、様々なコス