3年半ぶりに実現した日中韓首脳会談を米国はどう見ていますか。 高濱:日中韓首脳会談後に発表された共同文書を読んだ米国務省OBの一人は、私にこうコメントしました。「予想通り、具体的な問題の解決は先送りされた。その点ではノー・サプライズ(驚くようなことはなかった)、ノー・ブレークスルー(劇的な突破口は開かれなかった)だった。が、センシティブな政治問題に踏み込むことなく器作り、つまり継続した対話の場作りに徹することで解決への糸口を探り当てた」。 「儒教的発想」で「器作り」に専念した首脳会談 他方、宗教社会学者のディクソン・ヤギ博士はユニークな見方をしています。同博士は宗教の視点から国際政治を俯瞰してきた学者。自称「クリスチャン・ブディスト(仏教徒)」で、日本の神道や儒教にも造詣がある人です。 「自分の信念を絶対に曲げない3人が集まって、わだかまりを解消しようとするときには、相手の嫌がる話は避ける