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金融危機の本質は何か - 池田信夫 blog
著者は昨年の12月に『世界経済危機 日本の罪と罰』を出したばかりだが、そこから2ヶ月もしないうちに金... 著者は昨年の12月に『世界経済危機 日本の罪と罰』を出したばかりだが、そこから2ヶ月もしないうちに金融危機についての2冊目の本が出た・・・ようにみえるが、中身の大部分は週刊東洋経済に連載されていた「説話ファイナンス理論」である。タイミングは偶然だろうが、金融危機を理論的に考えることは重要だ。 しかし前の本も含めて、著者のアプローチには疑問も残る。それは彼の議論が一貫して効率的市場仮説にもとづいている点だ。たとえばブラック=ショールズ公式の前提は、オプション価格の値動きが対数正規分布(幾何ブラウン運動)になっていることだが、株式市場や外為市場の価格がベキ分布になることは、多くの実証研究が示している。マルキールの有名な教科書でさえ、最新版では行動ファイナンスに1章をさいているのだが、著者はそういう「邪道」の理論には言及もしない。 したがって今回の金融危機の説明も、「正しく使えば問題のないフ
2009/02/05 リンク