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不穏の書、断章 : Penny Lane
ポルトガル文学を求めて辿り着いた、フェルナンド・ペソアの世界。初ペソアながらも、この詩人に今まで... ポルトガル文学を求めて辿り着いた、フェルナンド・ペソアの世界。初ペソアながらも、この詩人に今まで出会えなかったことを後悔するほどの内容だった。ペソアの書くものには、ただならぬ吸引力がある。電車の中と就寝前の数時間が素晴らしく豊かなものになった。 フェルナンド・ペソア(澤田直訳)『不穏の書、断章』思潮社、2000年。 タイトルは『不穏の書、断章』であるが、ページを開くとまず初めに「断章」があって「不穏の書」はその後に続く。「断章」はゲーテの『格言集』やラ・ロシュフコーの『箴言集』を彷彿とさせるような、大変短い言葉が散りばめられた断片集である。続く「不穏の書」にも同じことが言えるが、これほど速読に向かない本も珍しいだろう。むしろ可能な限りゆっくりと読んでいたい気持ちになり、詩人の力を痛感させられることとなる。ちょうど詩集を読むときのように、一つ一つの言葉を何度も読み返す楽しみがここにはある。