重曹からフェノールへ : 有機化学美術館・分館

5月16 重曹からフェノールへ カテゴリ:有機化学 我々の体はたくさんの有機化合物から出来上がっています。それらの化合物は長い時の流れの中で徐々に複雑化し、進化していったものでしょうが、基本的な素材となる化合物はすでに生命誕生以前に形作られていたはずです。無機化合物ばかりであったはずの原始地球で、アミノ酸・核酸・糖など生命に必要な化合物はどのようにして形成されていったのか？これは非常に興味深いテーマです。 こうした研究としては、Millerによる実験が有名です。原始大気を模したメタン・アンモニア・水素などの混合気体に、電気火花や紫外線などのエネルギーを与えることで、アラニン・セリン・アスパラギン酸などのアミノ酸が生成したというものです。この他、シアン化水素から核酸のプリン骨格が形成されるといった報告もなされており、こうした化合物が徐々に蓄積されることで最初の生命誕生の舞台が整えられていった

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炭酸水素ナトリウム（いわゆる重曹）を鉄粉の存在下、18気圧・200度に加熱することで、収率0.8%でフェノールが生成