asahi.com：中上健次『千年の愉楽』の生原稿見つかる - 出版ニュース - ＢＯＯＫ

中上健次『千年の愉楽』の生原稿見つかる 2007年06月05日 ９２年に亡くなった作家中上健次の代表作で、６短編からなる「千年の愉楽」（８２年）のうち３編の生原稿が見つかった。中上は８８年に自宅が火災に遭い、それ以前の原稿は焼失したとみられていた。「千年の愉楽」は、近代小説と「口語的な語り物語」の統合を試みた中上文学の一つの達成を示す作品で、研究のための貴重な資料になる。 今回見つかった「千年の愉楽」の冒頭「半蔵の鳥」の生原稿 見つかったのは「半蔵の鳥」「六道の辻」「天人五衰」の生原稿。路地の産婆オリュウノオバが若者たちの悲劇を見届ける物語で、「文芸」誌に８０年から８１年にかけて掲載された。 当時の編集長だった故・金田太郎さんの遺品を最近整理した関係者が見つけ、妻の中上かすみさんに届けた。かすみさんは、中上の郷里・和歌山県新宮市の中上健次資料収集室に寄贈した。 中上は集計用紙を使って小説を