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感情なき宇宙的必然の中で:スタニスワフ・レムを読む
(季刊『InterCommunication』2006年夏号) 山形浩生 要約: レムの小説観は非常に狭苦しくとんちんかんで... (季刊『InterCommunication』2006年夏号) 山形浩生 要約: レムの小説観は非常に狭苦しくとんちんかんであり、おそらくそれはかれの社会性の欠如からきている。レムの作品に一貫するのは人間嫌いと社会の不在であり、それはかれのぶっとんだ小説のおもしろさの源泉であると同時に一つの限界でもある。 しばらく前にぼくは、レムの SF 評論のすさまじい偏狭ぶりを指摘したことがある。 一読して驚かされるのは、レムのSF論の異様なまでの堅苦しさと偏狭さ だ。レムにとって正しいSFの方向性は一つ。種としての人類や社会に科学 や知識や進化がどう影響を与えるか、厳密かつ論理的に検討すること。それ 以外は上っ面だけのまやかしでしかない――。 えー、そんな勝手な基準を勝手に作られましてもねえ。(中略)レムのSF 論は、こうしたピント外れな議論だらけで一般性のかけらもない。[8] この意見はいまも変わ
2015/04/17 リンク