吉野仁、法月綸太郎 、ヴァン・ダイン（その１） - 移転跡地

書評家の吉野仁氏が、作家・評論家の法月綸太郎氏を、WEB日記上で、厳しく（と言うか口汚く）糾弾している。問題の文章は、12/9付で発表されているが、それ以前からも、ヴァン・ダインやダシール・ハメットについての論考が続いており、本来ならば、今回の文章も、それらを踏まえて読むべきなのだろう。一言で済ませれば、笠井潔氏が、かねてから提唱している「大量死理論」（もしくは「大戦間探偵小説論」）に対する実証的な批判なのだが、しかしながら、吉野氏が名指しで批判しているのは、あくまで法月氏なので、そこまでは触れません。（ぜひ、プロの方に、きちんと反応してほしい） さて、吉野氏が批判しているのは、法月氏のヴァン・ダインに対する見解であり、その根拠となっているのが、John Lougheryによる評伝「Alias S.S. Van Dine the Man Who Created Philo Vance」（「