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小倉(1984)による
『2 大気の鉛直構造 2.1 対流圏と成層圏 大気の温度・湿度・圧力など大気の状態を表わす物理量の値は... 『2 大気の鉛直構造 2.1 対流圏と成層圏 大気の温度・湿度・圧力など大気の状態を表わす物理量の値は水平方向にも変化しているが、鉛直方向にもっと激しく変化する。真夏の暑さにあえぐとき、数千kmも旅をして北極圏にいかなくても、わずか10kmも上に昇れば、そこは気温が零下数十度という世界である。大気科学では記述の便宜上、大気を鉛直方向にいくつかの層に区分する。この区分の仕方も大気のどの物理量に着目するかでちがうが、ふつう使われているのは図2.1(略)に示したように、温度の高度分布に基づいた区分である。 一番下の層は対流圏(troposphere)とよばれ、平均して約11kmの厚さをもつ*。“トロポ”というのは、回るとか混ざるという意味のギリシア語である。対流圏内では名前のとおり、いろいろの運動によって圏内の空気が上下によくかき混ぜられているのが特徴である。雲がたち雨が降るなど目に見える