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『アウシュヴィッツの<回教徒>』
当初立ててなんどか更新したエントリはこちら。また本書の問題提起をふまえて戦争責任否定論について書... 当初立ててなんどか更新したエントリはこちら。また本書の問題提起をふまえて戦争責任否定論について書いたエントリがたまたま著者の柿本昭人さんの目にとまって、コメントを頂戴するという予想外のことも起こった。 提起されている問題の重要性に関する限り、疑いの余地のない本である。60年以上前の出来事についての記憶(に基づく言説)が分析対象ではあるものの、著者が問題視する「仕方がなかった」という思考法はこれまでも決して絶えることなく繰り返されてきたし、むしろいま現在においてこそその問題性が露になっているのだとさえ考えたくなる。 誰かを「生きるに値しない命」であると断定し、その「算術」を練り上げることに腐心してきた近代の歴史。そして、その恐るべき指標として現代社会において密かに学習すらされ、反復されるナチズムという出来事。ナチズムは暴力によって打倒されただけであり、決して「論証=説得」によって打ち倒され
2012/06/07 リンク