自然主義の誤謬：進化研究と社会

自然主義的誤謬とも称される。 進化系で言えば、動物の行動や人間の進化過程にこじつけて「ヒトは〜〜するべきだ」とやってしまうような論法のこと。ぱっと見そうかな、と思えても、その理由の立て方がよく考えるとどうもヘンだったりする。 ヒトのあるべき繁殖方法は自然研究や動物行動から学ぼう ？ 一夫一妻制は生き物の中では珍しいからヒトが不倫するのはあたりまえ ？ オスが子供の世話をする種は少ないからヒトオスの父親業は不自然だ ？ 進化で生じるのは「良いこと」だけではない。そも、進化は単なる「物事のなりゆきの結果」でしかないのであって、そこには社会で言う「良し悪し」は存在しない。 進化の適不適（繁殖）と人の生き方の良し悪し（心の安寧）は別物である。なのにそこを区別できないのかわざと都合よくごっちゃにしているのか、妙ちくりんな主張がけっこういろいろな方面でハバをきかせているのが頭痛のタネ。

[umeten]

＞動物の行動や人間の進化過程にこじつけて「ヒトは～～するべきだ」とやってしまうような論法のこと。

[mind]

――文化・文明によって人間という動物の全てを変えられるわけではない(softwareに頼る変身は、hardwareの限界を超えることはできない)。だから、自然主義が誤謬でない場合も多々ある。そちらの方が、むしろ本質的中核。

[bhikkhu]

↑えーと自然主義の誤謬っていうのは事実命題と規範命題の性質の違いから来る純論理的な帰結なのでそういうのは関係ないです。←の指摘には自然主義的誤謬への言及としては誤解がありますゆえ撤回いたします。スマソ

[nisemono_san]

『進化で生じるのは「良いこと」だけではない。そも、進化は単なる「物事のなりゆきの結果」でしかないのであって、そこには社会で言う「良し悪し」は存在しない。』ですね。

[Kur]

自然主義的誤謬 <である>から<であるべき>に何の根拠もなく移行しその事に気がついていない人って結構多い。放っておけばそうなるという類の事を何かを(倫理的・価値的に)正当化する根拠として持ち出すのは間違い(別p)