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a.序 操作診断法の価値はその実用的な功利性だけではなく,理念的な問いを保留したままクライテリアを発... a.序 操作診断法の価値はその実用的な功利性だけではなく,理念的な問いを保留したままクライテリアを発達変容させ得る自在さにあったと考えられる。その出発点において伝統的診断法の概念を継承したことは事実的な制約ではあったが,非理念性という原理それ自体を束縛するものではとは思われなかった。近年の操作診断法,計量精神病理学はスキゾフレニアに関する主題のひとつを陰性症状に求めているが,従来測定が困難であるとされていたこの領域を対象に取り込んだことは,これらの手法の洗練を証明するものと言えよう。 しかしこうした手法の洗練が操作診断法の非理念性と高めたとは必ずしもいえない。陽性症状の時にも見られたことだが,伝統的な症候論の項目を取り入れて数量的に操作化しただけであるとの批判は,陰性症状評価法に対しても該当する。それだけではなく,陰性症状論をより積極的にBleuler 的な意味での基礎障害論の探求に結び