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王妃のための失われた王国13-旅の終結-
日が暮れてからアリゼはようやく砂浜から立ち上がることができた。家に帰るとクハニと呼ばれる島の神を... 日が暮れてからアリゼはようやく砂浜から立ち上がることができた。家に帰るとクハニと呼ばれる島の神を司る者が、ネネのために読経を唱えているところだった。アリゼの顔を見るとバハリは無言で指を差し、座れと指示をした。祭壇には幾つもの蝋燭が灯され、生前にネネが使用していた櫛やアクセサリーや、供養花などが供えられていた。読経が終わるとクハニは合掌をしてその場を後にした。 ネネの亡骸は、明日、再度クハニの立ち会いの元、生前に縁のあった者達とともに島の墓地に葬られる事になっていたが、今夜は家族だけで死者を弔うのが慣わしになっていた。アリゼは勝手に家を飛び出してしまった事をバハリにきつく叱られるだろうと覚悟をしていたが、バハリはアリゼの頭をポンっと軽く叩いただけで決して責めることはなかった。 「さて、これから寝ずの番で婆さんを、ネネの事を弔わなきゃな。二人とも腹が減ったろう?何か食べるか?」 バハリはアリゼ
2023/12/23 リンク