欧州の銀行：失敗できないテスト JBpress(日本ビジネスプレス)

（英エコノミスト誌 2010年7月17日号） 欧州の銀行のストレステストは大混乱してきた。だが、ダメだと決めつけるのは早すぎる。 米国が2009年に自国銀行に公開ストレステスト（健全性審査）を実施した時は、ウォール街のパニックを終息させる助けとなった。米連邦準備理事会（FRB）は各行の帳簿を調べ、損失の程度について一貫した見方を押しつけ、資本不足の銀行には強制的に資本を増強させた。最後の投資家の役割を果たしたのが納税者だった。 欧州も近く米国に倣い、7月23日にストレステストの結果を公表する予定だ。だが、米国のテストが軍隊式で行われたのに対して、欧州の取り組みは大混乱してきた。実際、これまでの欧州の取り組みは、世界最大の銀行システムの資本増強というよりは、タラの漁獲量割り当てに関する荒っぽい交渉のような様相を呈している。 結果公表まであと数日と迫る中、規制当局はテストがきちんと機能するよう