med.taiho｜アイピーディ｜BreathLet Vol.5 Special Feature 災害時に備えたアレルギー疾患への対応

宮城県立こども病院総合診療科部長 三浦 克志 先生 2011年3月11日に発生した東日本大震災では多くのアレルギー疾患の子どもたちも被災した。 アレルギー疾患の子どもは環境の悪化に弱いため、災害時のダメージはきわめて大きい。 この震災によって、大災害がアレルギー疾患にさまざまな悪影響を及ぼすことが浮き彫りになった。 震災による広範囲にライフラインが途絶された状況の中で患者対応にあたられた 三浦克志先生に、災害時に備えた対応と災害時に必要な活動支援について提言をいただいた。 東日本大震災では、地震、大津波、火災などのため、広範囲にライフラインが破壊され、福島県、宮城県、岩手県を中心に東日本は大打撃を受けた。このようにライフラインが途絶された状態はアレルギー患者に多大な悪影響を及ぼす。また、被災時には周囲の人達も余裕がなくなり、アレルギー患者への配慮ができなくなる可能性がある。アレルギ

[frothmouth]

“2011年5月、日本小児アレルギー学会では、専門医、NPO団体、患者家族の会などの協力を得て「災害時のこどものアレルギー疾患対応パンフレット」を作成した【図2】。このパンフレットは、喘息、アトピー性皮膚炎、食物