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感想『素粒子』
感想『素粒子』 ・ミシェル・ウエルベック『素粒子』筑摩書房 07/04/11 ミシェル・... 感想『素粒子』 ・ミシェル・ウエルベック『素粒子』筑摩書房 07/04/11 ミシェル・ウエルベックの小説は、『闘争領域の拡大』に続いて、2冊目。 ミシェル・ウエルベック『素粒子』は、『闘争領域の拡大』がそうであった ように、男女の愛情の世界から疎外されたものたちのことが描かれている(言 うまでもなく、この疎外には、その疎外を外から強制的に破ってくれるような 特殊な状況は考えられない)。 タイトルは、とても固いが、異父兄弟のそれぞれの人生が、深い「孤独」、 愛情からの疎外として、語られていく。 「でもここにも、苦しんでいる女の人たちがいるのよ。同じ孤独に年取って いくといっても、男より女の方がずっと哀れだわ。男は安酒飲んで眠りこ け、口臭がひどくなっていく。起きればまた同じことの繰り返し。さっさ とくたばってしまう。女は精神安定剤を飲んだり、ヨガをやったり、心理 学者のカ