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金融用語の危険すぎるまやかし
「グロス記者は、米財務省が銀行の不良債権を聞こえのいい『レガシーローン』に呼び変えた瞬間を見逃さ... 「グロス記者は、米財務省が銀行の不良債権を聞こえのいい『レガシーローン』に呼び変えた瞬間を見逃さず、金融用語の言い換えに隠された意図と危険を警告した。金融危機の再発を防ぐためにも言葉の監視がいかに大事かを教えてくれる記事」(本誌・千葉香代子) 不良債権を「レガシーローン」と言い換えても深刻さは変わらない イギリスの小説家ジョージ・オーウェルは46年に発表した不朽のエッセー『政治と英語』で、政治の言い回しは「嘘をもっともらしくして」「完全な空論に見せ掛けの信頼を与える」ものだと非難した。オーウェルが生きていたら、今日の金融用語に関する続編を書かずにはいられなかっただろう。 「劣後抵当権」に「債務担保証券」。銀行の帳簿を化膿させているこれらの不良資産は、米財務省が3月23日に発表した金融機関の救済計画でそれぞれ「レガシーローン」「レガシー証券」と称された。レガシー(遺産)というと、思慮深い人々