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第3回 母の愛は有償である
母となった人の多くが「息子が可愛くてしょうがない」と口にする。手がかかればかかるほど、可愛いとい... 母となった人の多くが「息子が可愛くてしょうがない」と口にする。手がかかればかかるほど、可愛いという。女性たちは息子のために、何を置いても尽くそうとする。それは恋人に対するよりも粘っこくて重たい心かもしれない。息子たちは、そんな母について、何を思っているのだろうか。そのような母に育てられた息子と、娘たちはどのように関係を作っているのだろうか。母と息子の関係が、ニッポンにおける人間関係の核を作り、社会を覆っているのではないのか。子育てを終えた社会学者が、母と息子の関係から、少子化や引きこもりや非婚化や、日本に横たわる多くの問題について考える。 幼児教育無償化論の不思議 さきごろ政府は閣議において、幼児教育・保育の無償化を進めると決定しました。日本の乳幼児期の家族関係給付が国際的に見てGDP比で少ないのはよく知られていますし、無償化は当然の流れでもありましょう。あらためて母の立場からみると不思議