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第6回 「私」ではなく「問題」が問題なのだーー多量服薬の当事者研究
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第6回 「私」ではなく「問題」が問題なのだーー多量服薬の当事者研究
うつ病、自殺未遂、貧困、生活保護、周囲からの偏見のまなざし……。幾重にも重なる絶望的な状況を生き延... うつ病、自殺未遂、貧困、生活保護、周囲からの偏見のまなざし……。幾重にも重なる絶望的な状況を生き延びた体験をまとめた『この地獄を生きるのだ』で注目される小林エリコさん。彼女のサバイバルの過程を支えたものはなんだったのか? 命綱となった言葉、ひととの出会い、日々の気づきやまなびを振り返る体験的エッセイ。精神を病んだのは、貧困生活になったのは、みんなわたしの責任なの?──おなじ困難にいま直面している無数のひとたちに送りたい、「あなたはなにも悪くない」「自分で自分を責めないで」というメッセージ。 精神病院を退院してから、東京のアパートを引き払い、茨城の実家に戻った。身辺整理が落ち着いてから、私は本棚からある本を取り出した。「べてるの家の本」という自費出版で出された本だ。この本は私が短大生の時に、教授からもらったものだ。「私よりも、あなたが持っていた方がいいから」そう言って教授は一冊しか手元にない