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『慢性疼痛と手術』
特にうつ病圏の人たちは迷った時は手術をしないほうが良い。というのは、痛みと言うのはあんがい実体が... 特にうつ病圏の人たちは迷った時は手術をしないほうが良い。というのは、痛みと言うのはあんがい実体がないから。それはまぼろしのようなものだ。 抗うつ剤や、抗てんかん薬(この場合は気分安定化薬)の治療中、精神症状の改善に平行して、慢性疼痛がかなり良くなることはしばしば経験する。抗うつ剤が最も効果的だが、テグレトールなどの抗てんかん薬も定番的な薬物である。この2種類以外でも、非定型抗精神病薬もかなり効果があることがある。(特にジプレキサ、ルーランなど) 定型薬ではクレミンが傑出している。実際はクロフェクトンも効果的なのだろうが、偶然か、僕はクレミンで長年の疼痛が消えたというのが多い。 これは薬理的に効くというのとはちょっと違うような気がしている。別に薬を飲まなくても、1回のECT実施後に痛みが突然消失することも良くみられるからだ。つまり痛みは体のその場所で感じるわけではなく脳で感じていることに他な