『武者小路実篤「お目出たき人」（気持ち悪いと思わせる技術について）』

名前からして絶対歴史小説書いてそうなイメージの作家第一位に輝くであろう武者小路実篤先生であるが（私はこんなふうに思ってるんだけど、ほかの人はどうなんだろう）、「お目出たき」は別に歴史小説でも何でもない。 分類としてはおそらく純文学になると思う。 七月の合評会で師匠が紹介していたので興味を持って読んでみた。 ストーリーは、簡単に言うとこうである。 自分は女というものを知らず、「女に飢えて」いる。近所に住んでいた鶴という女性は、以前は可愛い子供だとしか思っていなかったが、今では美しく可憐な女で、女学校に通っている。自分は鶴と夫婦になりたいと思う。（注：いきなり「夫婦になりたい」と思うところがこの作品のポイント）そこで、知人に頼んで鶴に縁談を持ちかけるが、鶴の家からは「まだ結婚するには早いですから」と言われて断られ続ける。自分は鶴と夫婦になることについて、あれこれ想像（妄想）する。だがしかし、鶴

[musha-gumi]

「お目出たき人」について。「気持ち悪い」小説を成立させているのは「一歩引いた文章」という視点は適切だろう。「気持ち悪さ」への共感(?)の有無が、私とは異なるが。