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中学生のとき国語の授業で提出したポエムがでてきた
僕は恋人とふたりで川岸を歩いていました。10月にしてはやけに冷え込んだ、晴れた日のことです。仕事が... 僕は恋人とふたりで川岸を歩いていました。10月にしてはやけに冷え込んだ、晴れた日のことです。仕事が忙しくてなかなか2人の時間が作れない僕は、久しぶりのデートにうきうきしていました。 彼女がふと足をとめ、見て、と地面を指さしました。左手―僕と繋いでいないほうの手をコートのポケットから出し、すっとかがみこんで何かを拾い上げます。得意げに広げて見せた手には、白いまん丸の石が、日の光を受けて輝いていました。 「きれいだね。卵みたい」 僕がそう言うと、恋人は嬉しそうに笑いました。はしゃいだ笑顔がかわいらしかった。石を受け取ってみると思ったよりずっしりとしていて、ひんやりと心地よい感触が手のひらを伝わりました。 石を慎重にポケットにしまってから、僕はきゅっと彼女の手を握りました。澄み切った高い空を、赤とんぼが一匹渡っていくのが見えました。
2015/11/07 リンク