飼い犬の脱走癖

小学二年の時に近所から雑種のメス犬を貰い受けた。 僕はこの犬から色んな事を学んだ。 ある日彼女の寝床に血痕を発見し、母にひょっとすると酷い怪我をしている可能性があると訴えたが、大丈夫だよとの根拠の無い回答にイラついたが、犬はなるほどそういう物なのかも知れないと諦め、世の中には自分の知らない事が結構有りそうだという予感がしたのだった。 我が家には雑草の生い茂る4坪ほどの空き地があった為、この四方を鉄柵で囲って彼女が自由に活動できるようにしていた。 小学三年の頃になると、餌をやりに鉄柵を開けると一目散に彼方へ逃げて行き、朝まで戻ってこないという事案が頻発するようになった。 帰ってきた彼女を父が叱責し、体中から悲しみのオーラを出し服従のポーズを取る彼女の姿が忘れられない。 しかし彼女は脱走をやめなかった。時には鉄柵の下に穴を掘って抜け出していた。 ある日母から、彼女が赤ちゃんを産むことになったと

[sugimurasaburo]

乾いた文章がすごく良かった。

[sds-page]

昔はよく野良犬か脱走犬かわからん犬がその辺歩いてた

[AQM]

「なるほど犬はそういうものなのかも知れない」「1匹は貰い手がつかず、育てる事となった。」「ある朝も彼女は居らず、今日もどこぞの馬の骨に抱かれに行ったかと」　なんかちょっと司馬遼太郎を彷彿とさせるｗ

[hilda_i]

犬はそういうものだわね。避妊手術を受けさせて首輪で繋いでおかないとどっか行く。

[lli]

この淡々とした書き口がガルシアマルケスをちょっと彷彿させる感じ。

[n_kasei]

犬の世代交代のようすが淡々と描かれて読んでいて面白かった。やがてこういうのんびりとした飼い方はできなくなっていくのだろう。

[kazutox]

20世紀ではこういう雑な感じで犬を飼っていた

[ysync]

「なるほど犬はそういうものなのかも知れない」文学感高いｗ

[whirl]

なるほど犬とはそういうものなのです

[death6coin]

一代目が産んだ犬たちの父親は毎回同じだったのだろうか