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[尼子十勇士]
ある時、森之助の伯父で、先年村上家を出奔して武田家に仕えていた、相木市兵衛という者が塩尻峠を通り... ある時、森之助の伯父で、先年村上家を出奔して武田家に仕えていた、相木市兵衛という者が塩尻峠を通りかかった。 市兵衛はその山奥で、鹿の背に乗せられ、猿たちに取り囲まれた赤ん坊を見つけた。 不思議に思った市兵衛は赤ん坊を拾って帰り、山の中で鹿に乗っていた子供ということで「山中鹿之介」と名付けた。 その赤ん坊こそ、長坂・跡部の追手と戦ううちに更科姫とはぐれてしまった、彼女の息子であった。 その更科姫は、はぐれた息子を探すうちに山賊の砦に迷いこんでしまい、彼らを打ち倒して親分の座に収まっていた。 しかも、その山賊の一味だった烏勘左衛門という者が、実は武田家と対立する上杉謙信の家臣・蓑田五郎であった。 二人は協力して馬場美濃守を討たんと、手下を商人に変装させて甲府へと送り込んだ。 ところが手下は早々に馬場美濃守に捕まり、一部始終を白状させられてしまった。 馬場美濃守は思案して、私の心底はこの中身を見
2020/02/24 リンク