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俺はハザードマップをナメている
内陸部の都市に住んでいる。山は遠くにしか見えない。近くを流れる川は直線距離にして200メートルくらい... 内陸部の都市に住んでいる。山は遠くにしか見えない。近くを流れる川は直線距離にして200メートルくらいか。しかし海からは相当に遠い。活断層からは外れているし、ダムははるか上流だし、超巨大地震がきても津波に襲われることは無い場所だ。 大雨による川の氾濫、堤防の決壊、可能性を挙げるならこれくらい。ただこれとてこの60年起こっていないし、上流の治水も排水ポンプの整備もできている。 それでも我が家はハザードマップで0.5~3メートル浸水の領域にあるのだ。 数年前、特別警戒警報が俺の街に発令された。50年に1度とかいうやつだ。近隣の町に次々避難指示が出て、はたして俺の町にも避難指示が出た。近くの小学校がその場所だという。 でも俺たちは避難しなかった。だって上の階に行けば事足りるわけだから。近所の住民も動きはない。巡回車は避難を呼び掛ける。仕事だからな。市職員の彼らもそこまでの危機感は無かったろう。 結