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ひとりでダブルベッドを組み立てる
木材が二箱届いた。昨日別れた人と一緒に寝るための、ダブルベッドになるものだ。なるはずのものだった... 木材が二箱届いた。昨日別れた人と一緒に寝るための、ダブルベッドになるものだ。なるはずのものだった。 別れた原因のうちの一つはこのベッドだ。26と38でどう?と彼は言った。きっかり半分こにするためのあと6000円を、彼は払いたがらなかったのだ。 彼が敬愛する歌手のコンサートのチケットは1万円した。その歌手の歌のタイトルを私はひとつしか知らなかった。コンサートというもの自体がほとんど初めてで楽しめるかどうかから不安だったが、行った。 隣にいる彼が一曲一曲が始まるたびに目を輝かせてちいさく歓声をあげるのが可愛かった。 楽しかった。 時間を共有できることがとても嬉しかった。同じ音に触れて、鼓膜が揺れているのだと思った。一緒の時代に生きることが出来てよかったとしみじみ思った。最後は腕を振って歌った。私が唯一タイトルまで知っていた歌だった。 今度は私の好きな歌手のコンサートに一緒に行こうねと言った。
2024/02/13 リンク