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「超芸術トマソン」 ――アートの限界事例(美術出版社第13回(2005年7月19日発表)芸術評論応募落選作) - 比較芸術文化論
1 反芸術の正統な末裔としての「超芸術トマソン」 赤瀬川原平は、「超芸術トマソン」発見の経緯につい... 1 反芸術の正統な末裔としての「超芸術トマソン」 赤瀬川原平は、「超芸術トマソン」発見の経緯について、次のように回想している。 「一九七〇年に美学校講師の仕事が降りかかり、(中略)。そして生徒たちとじっさいに町へ出て、壁や電柱にあるビラ、ポスター、標識、看板といったメッセージ類の観察をはじめ、それが横道にそれて現代芸術遊びが生まれる。つまり路上に転がる材木やその他日常物品の超常的状態、道路工事の穴や盛り上げた土や点滅して光る標識などを見て、 「あ、ゲンダイゲイジュツ!」 と指でさす。これは概念となってなお画廊空間で生きながらえる芸術のスタイルへ向けたアイロニーでもあった。その延長線上で、一九七二年、松田哲夫、南伸坊とともに四谷祥平館の側壁に「純粋階段」を発見し、そこから「超芸術」の構造が発掘されて、後に「トマソン」と名付けられることとなる。」〈『路上観察学入門』13頁〉 1972年3月17
2016/05/31 リンク