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橋本紡「猫泥棒と木曜日のキッチン」はちょっとだけ泣けた - 贋・明月記―紅旗征戎非吾事―
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橋本紡「猫泥棒と木曜日のキッチン」はちょっとだけ泣けた - 贋・明月記―紅旗征戎非吾事―
橋本紡「猫泥棒と木曜日のキッチン」を読んだ。 この作家の作品を読むのは初めてである。 この小説は、... 橋本紡「猫泥棒と木曜日のキッチン」を読んだ。 この作家の作品を読むのは初めてである。 この小説は、親に捨てられた子どもと、その子どもが猫を盗む話である。 「あとがき」にも書かれているが、カンヌ映画祭で柳楽くんが最優秀男優賞を受賞した「誰も知らない」という映画と、育児放棄というテーマだという点で似た話である。 ただ、こちらは、主人公が女子高校生で、「友人以上恋人未満」みたいな男友達がいて、もう少し青春小説らしくなっている。 感想を率直に言うと、登場人物、特に主人公以外の人の描き方が表面的すぎる感じがした。 小説としての分量も少なめだから、あまり書き込む余裕がなかったのかもしれない。 ただ、子猫のかわいそうな最期には思わず涙が出てしまった。 急いで付け加えておくならば、猫を盗んだから死んだんじゃない。 むしろ、子猫が死んだから、猫を盗むことになる話である。 詳しくは、読んでください。 2時間も