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「神さまの貨物」書評 絶望の中で知る温かな命の鼓動|好書好日
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神さまの貨物 [著]ジャン=クロード・グランベール 童話を思わせる装丁と書き出しで始まる物語は、戦... 神さまの貨物 [著]ジャン=クロード・グランベール 童話を思わせる装丁と書き出しで始まる物語は、戦争で起きた残虐さと、絶望の中でも光となる大切なものを教えてくれた。 世界大戦のさ中、占領下の森に暮らす貧しい木こりの夫婦。夫は厳しい寒さと飢えの中、強制労働をさせられる日々だった。そんな中、自分に子どもを授けてほしいと祈り続けるおかみさんの目の前の雪の上に、小さな子供が落とされる。ユダヤ人を収容所へ移送する列車に乗せられた父親が、我が子を生き延びさせようと窓から落とした幼子だった。 明日の見えない中でも、子どもが自分のもとへやってきてくれたことを喜び、命懸けで育てようとするおかみさんの愛情が胸に染みる。素性の知れない子どもに偏見の眼差(まなざ)しを向ける木こりの夫を、おかみさんは説得する。「人でなしも、人よ。人でなしにも、心臓がある。心がある。おまえさんやわたしと同じように」。当時のような戦争