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直木賞受賞作・西條奈加「心淋し川」 よどみに浮上する希望の灯|好書好日
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直木賞受賞作・西條奈加「心淋し川」 よどみに浮上する希望の灯|好書好日
じんわりと目の奥が熱くなった。胸にしみいる小説とはこういうことをいうのだと、読了後著者に思わず感... じんわりと目の奥が熱くなった。胸にしみいる小説とはこういうことをいうのだと、読了後著者に思わず感謝の言葉をつぶやいた。 6編の連作でつづられる本書は、ひとことでいって地味な小説である。場所は江戸の千駄木あたりとわかるものの、時代は江戸後期のいつかというだけで特定されていない。社会的な事件とのかかわりもない。登場人物はだれもが自身の不幸な過去や生きづらさから逃れられず、日々の暮らしにあくせくしている。だからこそ、というべきか舞台となる心町(うらまち)の、塵芥(ちりあくた)が堆積(たいせき)してよどんだ川が各々(おのおの)の心のよどみを映しこんで、見事な心象風景を描きだしている。 不細工な妾(めかけ)ばかりがよせあつめられた長屋で張形に仏を彫るりきも、棄(す)てた女が歌っていた唄を口ずさむ童女に心を動かされる料理人の与吾蔵(よごぞう)も、いきすぎた母性愛と自覚しつつも息子への執着だけを生きがい