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「小山さんノート」書評 綴る言葉は「生きた証」そのもの|好書好日
「小山さんノート」 [編]小山さんノートワークショップ 遺品の中から奇跡のように発見され、世に出た... 「小山さんノート」 [編]小山さんノートワークショップ 遺品の中から奇跡のように発見され、世に出た作品というと、アメリカの詩人エミリー・ディキンソンが浮かぶ。薄氷のような言葉と相まってか、はたまたその境遇か。原稿が見つけられた瞬間に思いを馳(は)せると、どこか神聖なものに触れた気持ちになる。 本書もまた、数奇なバックストーリーを持つ。ホームレスの女性「小山さん」の日記だ。都内の公園のテント村に暮らした、主に二〇〇一~〇四年の日々が記される。言うまでもなくそれは、とても厳しい生活だ。常に神経を張り詰めている。加えて、彼女を支配したがる同居男性からは暴力を振るわれている。 小山さんの心身が唯一休まるのは、喫茶店でノートを開くひとときだ。彼女はそこでお気に入りの席に座り、本を読み、出来事を書き留め、来し方を振り返って思索する。そうやって、過酷なテント生活で傷つき弱った、魂を回復させる。 ノートに
2024/01/21 リンク