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『追悼の達人』嵐山光三郎(中公文庫) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
→紀伊國屋書店で購入 ―嵐山光三郎という死に物狂い― 嵐山光三郎といえば、タモリのTV番組に出演するひょ... →紀伊國屋書店で購入 ―嵐山光三郎という死に物狂い― 嵐山光三郎といえば、タモリのTV番組に出演するひょうきんな髭のおじさん、というイメージが拭えない。思えば30年近くも昔のことになる。矢継ぎ早にエッセイを執筆していたことなど露知らなかったわたしは、『芭蕉の誘惑(後に改題)』や『悪党芭蕉』にいたってようやく仰天することになる。もっとも、只者でない教養と風流を解するこころ(霊媒体質と換言できる)は、記憶のなかの陽気なおじさんに反目するものではない。西行を「なまぐさいほど世俗の人で」「歌を詠む007のようなもの」(『西行と清盛』)と喝破した嵐山光三郎とは、俗っぽさと死に物狂いの気魄が共存する珍しい作家なのだ。 『追悼の達人』は、追悼文のコラージュによって明治・大正・昭和に没した文人49人の遺影を巡るという体裁で、結果として、日本近代文学史紀行となっている。稀代の企画には、元編集者としての卓見が
2012/02/28 リンク