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ドロドロとした闇を娯楽作品へと昇華する椎名林檎――近田春夫の考えるヒット | 文春オンライン
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ドロドロとした闇を娯楽作品へと昇華する椎名林檎――近田春夫の考えるヒット | 文春オンライン
私事で恐縮だが、自分がプロの音楽家の道を歩み始めて、'20年で50年を迎える。そんな音楽人生のうち、20... 私事で恐縮だが、自分がプロの音楽家の道を歩み始めて、'20年で50年を迎える。そんな音楽人生のうち、20年強はこの原稿を書き続けてきているのだからねぇ。なかなか感慨深いものもある。そのなかで椎名林檎は、ずーっとひっかかる歌手の一人だった。 初めは『歌舞伎町の女王』である。タイトルに惹かれ、気になって、どうしても聴いてみたくなった。といいつつ、聴く前まではなんだか「新宿の母」という占い師とイメージの重なってしまっていたこと(笑)を、今でも思い出す。'98年のことである。 以来、このページで取り上げるにせよそうはならぬにせよ、チェックするようになったのは、やはりどのシングルもタイトルのつけかたが卓抜だったことは大きいだろう。さて『ニュートンの林檎』は、椎名林檎初のベスト盤だ。収められた全30曲をざっと見渡してみたが、思いは変わらなかった。いちいちの題名を眺めるにつけ、一体どのような内容になって