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6、制作の哲学――他者性のオン/オフ 制作者は、素材=ハードウェアとしての他者を象る。これは他者性の... 6、制作の哲学――他者性のオン/オフ 制作者は、素材=ハードウェアとしての他者を象る。これは他者性の創設である。しかし、この被造物が制作者と合一するとき、他者性はむしろ打ち消される。制作者にとって、素材の他者性はときにオンになり、ときにオフになる。さらに、制作者自身も自らの制作物の魅力や恐怖に屈するとき、自己がオンの状態とオフの状態が重なりあう。『フランケンシュタイン』と「ピュグマリオン」が示すのは、まさにこの量子状態である。 ここで議論の補強のために、哲学的な観点も導入しておこう。「制作的態度」を現象学的に分析したハイデガーは、およそ次の二点を指摘している。 (α)制作的態度において、制作されるものはそれ自身に引き渡される。材料や素材がそれ自体として自立したものとして了解されるのは、作るという態度によってである。「材料や素材といった概念の起源はまさに、制作に定位した存在了解にあるのです」
2019/01/24 リンク