第77回 「碍」と「礙」 | 人名用漢字の新字旧字（安岡 孝一） | 三省堂 ことばのコラム

昭和17年6月17日に国語審議会が答申した標準漢字表2528字には、新字の「碍」と旧字の「礙」の両方が含まれていました。新字の「碍」は準常用漢字、旧字の「礙」は特別漢字となっており、一般の生活には「碍」を用いるが、皇室典範や帝国憲法などには「礙」を用いることになっていました。ところが、昭和21年11月5日に国語審議会が答申した当用漢字表1850字には、「碍」も「礙」も含まれていませんでした。当用漢字表は、翌週11月16日に内閣告示されましたが、やはり「碍」も「礙」も収録されていませんでした。そして、昭和23年1月1日に戸籍法が改正された結果、「碍」も「礙」も子供の名づけに使えなくなってしまったのです。 平成21年11月10日、文化審議会国語分科会は「改定常用漢字表」に関する試案を発表しました。この試案は、常用漢字1945字に対し、5字を削除して196字を追加する案で、2136字を収録してい

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まあ使えたとして子供の名前に好き好んで使う人はそうはいなかろう…