（フォーラム）望まぬ妊娠の責任：１ 現状は：朝日新聞デジタル

■ＴｈｉｎｋＧｅｎｄｅｒ ジェンダーを考える 誰にも頼れずに孤立出産し、子を遺棄したとして、女性が罪に問われる事件が絶えません。望まない妊娠がわかったとき、産む性である女性に負担が偏り、男性の責任が問われにくい現状について、どう考えたらいいでしょうか。まずは日本の現実を見つめます。 ■母親になること、強制されないのも権利 無罪判決のベトナム人元実習生の弁護人を務めた、石黒大貴弁護士 孤立出産の末に死産した子の遺体を遺棄したとして、ベトナム国籍の元技能実習生が死体遺棄罪に問われた裁判で、最高裁は今年３月、逆転無罪とする判決を言い渡しました。女性の主任弁護人だった石黒大貴弁護士は、多くの新生児遺棄事件が「無責任な母親の問題」とされ続けていることに強い違和感があるといいます。 ◇ 技能実習生だった女性は、自宅で死産した双子の遺体をタオルに丁寧にくるみ、箱に入れて棚に安置していたことで死体遺棄の罪