多義性の仮定と言語的直観 クリプキ [1977=1995] - えめばら園

Kripke, S [1977=1995] 「話し手の指示と意味論的指示」 （黒川英徳訳 現代思想 1995年４月号 青土社） 〔……〕もしイヌイットが二つの別個の単語をもっており、一つは（例えば）ヒンティッカの「強い」意味での「知る」を表し、もう一つは彼の「弱い」意味での「知る」を表すと言われたら、私は非常に驚くだろう。恐らく、このことは知識〔命題知〕を、どの言語においても二つの別個の単語によって「脱−多義化」されることがありそうにない、一元的な概念であると我々が考えていることを示しているのである。 従って、いかなる多義性の申し立てについても、それをテストするために使用され得る二つの方法論的な考察を、我々は持っているのである。例えば、“bank”は多義的であり、我々は、その多義性が何らかの他の言語における別個で無関係の単語によって脱-多義化されていることを期待するであろう。だが、なぜ英語