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林巧『アジアもののけ島めぐり―妖怪と暮らす人々を訪ねて』|読書旅vol.63 - FAR-OUT ~日本脱出できるかな?~
梅雨の真っ只中。ジトジトした季節には怪談話がよく合います。かの『四谷怪談』だって、かつて四谷が鬱... 梅雨の真っ只中。ジトジトした季節には怪談話がよく合います。かの『四谷怪談』だって、かつて四谷が鬱蒼とした湿地だったからこそ、生まれたはずですしね。 そんなこんなで、今回は林巧さんの『アジアもののけ島めぐり―妖怪と暮らす人々を訪ねて』(光文社文庫)を選んでみました。 なお、ゾクゾク感で暑さを忘れられるから夏に怪談話を多くするようになった……というのは後付け的な俗説らしいです。 先祖の霊だけでなく、怨霊や無縁仏も一挙に帰ってくるお盆に合わせ、鎮魂の意を込めて浮かばれない霊たちの無念を語っていたのが、そもそもの由来。私もさっき知りました。 つまり、本来はお盆の時期に紹介するのが相応しい本だったのかもしれませんが、素知らぬふりをしてそのまま進めます。 もののけたちが命を与え続ける本 小説家兼妖怪研究家である林巧さんにとって、『アジアもののけ島めぐり』は自身2冊目の単著。当初は1995年に同文書院よ
2022/06/21 リンク