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活字に酔いつつ酒に酔う ―嗚呼ひとり酒の愉しみよ― - 書痴の廻廊
酒の境地は独酌にある。親しき友あるもいい。宴会の酒は少しく社交に走らざるを得ない煩ひがある。要す... 酒の境地は独酌にある。親しき友あるもいい。宴会の酒は少しく社交に走らざるを得ない煩ひがある。要するに酒は環境による。 (いいことを言う) 大いに頷かれる記述であった。 (立ち読みで済ますのはもったいない) 心の天秤の指針が動き、「買うに値する」を指す。そうした次第で同書は現在、古本屋の書架を離れて、私の机の上にある。昭和五年発行、鈴木氏亨著『酒通』というこの古書は――。 さしあたりざっと捲ってみると、巻末にこのようなものを見出した。 出版元の四六書院に、感想を送るためのハガキである。 正確には「愛読者カード」と呼ぶらしい。「東京市神田区通神保町一番地」とあるからには、さだめし人通りの多い、繁華な場所に門戸を構えていたのであろう。 とりあえずコレは切り離さずに、このままとっておこうと思う。 奥付にはまた、「記念特価金三十五銭」の印影が。 定価は七十銭となっているから丁度半額、「特価」に恥じな
2021/04/23 リンク