『自然を名づける―なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか』 by 出口 治明 - HONZ

知的興奮を覚える、とても面白い本だ。冒頭から（第1章）「科学者はなぜ魚という群の実在性を否定するのか？」という挑戦状が叩きつけられる。著者は、この本を書くことによって、この一見奇妙に見える問いに答えようと努める。何のために？ 始まりは、カール・リンネである。若き天才的な植物学者として人生のスタートをきったリンネは、二名法（人間は、「ホモ・サピエンス」として表わされる。「ホモ」が属名で、「サピエンス」が種名）を編み出し、リンネ階層分類と呼ばれる分類体系を定めた。1735年、28歳のリンネは「自然の体系」の初版を刊行した。わずか14ページのこの聖書から、分類学は産声を上げたのだ。この時代の分類学は、自然の秩序を五感で捉え、視覚化する作業に他ならなかった。 次の主役はダーウィンである。リンネから約100年後、ダーウィンはフジツボの研究に取り組む。悪戦苦闘すること8年、馬車に乗っていたダーウィンに

[EditageJapan]

ブックレビュー『自然を名づける―なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか』(Honzより）「的興奮を覚える、とても面白い本だ。冒頭から（第1章）「科学者はなぜ魚という群の実在性を否定するのか？」という挑戦状が

[takushi_sato]

分類学

[takahiro_kihara]

そえば図書館にあったね。気がむいたら読んでみる。

[hharunaga]

「自然を名づけることは、自然に近づくことなのだ。そして、世界の生きものの多様性を救うことは、学者だけの仕事ではないのだ」