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『そして、暮らしは共同体になる。』「ゆるゆる」という新スタンダード - HONZ
佐々木俊尚さんといえば、これまでの著書において新しい潮流を描き出すとともに、旧態依然としたものを... 佐々木俊尚さんといえば、これまでの著書において新しい潮流を描き出すとともに、旧態依然としたものを片っ端から斬ってきた遍歴を持つ。ターゲットは時に新聞・テレビであったり、日本のリベラルであったり、民主主義だったりと様々であった。そして本作ではその対象が「ジャーナリスト像」のようなものへ向かったのではないかと感じる。 とは言っても、本書は別にジャーナリズムについて書かれた本ではない。描き出す対象ではなく、手法の部分に新しさがあるのだ。ふと日常で疑問に感じたことの延長線上に問いかけがあり、わざわざ取材しにいったという感じがまるでない。硬派な筆致でもないし、社会の闇を暴き出しているわけでもない。全編が「ゆるゆる」というキーワードで貫かれており、生活者として、ジャーナリストとして、二つの側面の境界線が溶けていくような印象だ。 そんな本書のテーマは「暮らし」について。中でも多くの人にとって、「食」の分
2016/12/02 リンク