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『聖なるズー』動物性愛者に密着取材!近来稀な問題作 - HONZ
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『聖なるズー』動物性愛者に密着取材!近来稀な問題作 - HONZ
人間ではない者との結婚である異類婚姻譚は世界中に存在する。日本でも『鶴女房』や安倍晴明の母親、狐... 人間ではない者との結婚である異類婚姻譚は世界中に存在する。日本でも『鶴女房』や安倍晴明の母親、狐の「葛の葉」などが有名だ。多くは動物が人の形となって現れるが『遠野物語』で紹介された「オシラサマ」という民話は異質である。 東北地方の貧しい農家の娘が、飼っている馬に恋をして夫婦となる。だが父親はそれを許さず、馬を殺してしまうのだ。悲恋というより気味の悪い物語だと感じた記憶がある。 第17回開高健ノンフィクション賞受賞作『聖なるズー』は動物(主に犬や馬)をパートナーにして、性生活も共にするという世界唯一の動物性愛者による団体、ドイツの「ZETA/ゼータ」に密着取材した驚愕のルポルタージュだ。 著者自身は動物性愛者ではない。だが過去に10年余りも恋人の性暴力に悩まされた経験があり、そこから逃げ出し、時間を経てから京都大学大学院の文化人類学分野でセクシュアリティの研究を始めた。そこで出会ったテーマが