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第五話 「女と泣き出しそうな空と豪徳寺」① - 人生で迷っている人たちの短編集(まさりん) - カクヨム
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第五話 「女と泣き出しそうな空と豪徳寺」① - 人生で迷っている人たちの短編集(まさりん) - カクヨム
二月の末、風の強い日曜日だった。空は今にも泣き出しそうな厚い雲が覆(おお)っていた。 シホはぶつぶ... 二月の末、風の強い日曜日だった。空は今にも泣き出しそうな厚い雲が覆(おお)っていた。 シホはぶつぶつ言いながら、熱心にお祈りをしていた。すでに参拝を終えた僕は少しだけ下ぶくれなシホの横顔を眺めていた。豪徳寺の賽銭(さいせん)箱は本堂のなかにあった。拳一つがちょうど入るくらいの小窓がガラス戸の一部に設(しつら)えてあって、その木枠をスライドさせ、お賽銭を入れるようになっていた。そして、仏式のお参りをする。 僕は幼少時、「神様や仏様は、わざわざお願いをしなくても全部お見通しだから、念じなくてもいい」とどこかで教わった気がして、誰よりも早く参拝を終えてしまう。それにしてもシホは長い。なんという強欲なオンナなのだと呆れ、ノリスケと僕は顔を合わせる。 二人で向後に咳払いをした。「はやくしろよ」という責めが半分、からかう気分が半分だった。それでもシホは僕たちを無視して、祈りを捧げている。やがて、ノリス