銀行はどこへ：／４ 地銀と地域経済、不振の連鎖 再編に活路求める | 毎日新聞

「面白くて将来性のある事業だと思うが、上司の了解がとれない」。７月上旬、福島市内の情報技術（ＩＴ）ベンチャー企業の応接室。経営者の男性（３８）は融資を拒否する地元銀行担当者の言葉に耳を疑った。 この担当者とは１年以上かけて新規事業案を一緒に練ってきた間柄。「約５０００万円の融資が承認される」と手応えを感じていたからだ。経営者は事業の利点を改めてアピールし、食い下がったが、担当者は「もっと確実性がないと……」と首を横に振り続けた。 東日本大震災と福島第１原発事故に見舞われた福島県は、震災前は２００万人を超えた人口が今は１８６万人に減少。復興需要も一巡して、景気に急ブレーキがかかっている。東京商工リサーチによると、２０１７年度の倒産件数は５７件と３年連続で増加し、負債総額も２３２億円と震災翌年度（１１年度、３０８億円）以来の規模に膨らむ。地元金融関係者は「震災後に設立された会社がいくつも姿を消

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