【書評】No Filter - The Inside Story of Instagram（2020年4月14日発刊）｜daisukeiwase_note

月間利用者は10億人を超え、Facebook全社売上7兆円の3割、2兆円の広告収益を生むまでに至った Instagram。2012年当時、売上ゼロ、従業員13人の写真アプリを１千億円のキャッシュで買収することが発表された時、私を含む多くの人が天才マーク・ザッカーバーグの判断を疑った。しかし、歴史はザッカーバーグの並外れた先見性を証明している。 2020年4月14日に発刊されたばかりの本書は、2010年に Instagram社が創業される頃から、2018年に二人の創業者が経営方針の対立の末に Facebookを退社するまでの歩みを、多くの関係者を取材して書き上げた記録である。インスタユーザーにとってのキーワードである「No Filter＜フィルター（加工）無し＞」を「脚色無しの物語」という意味で、書籍の題名に使っているところがいい。 本書を読了して印象に残ったことは三つある。 まず、シリコン