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オーロラ|蜂本みさ
海の底から湧いたとしか思えなかった。 世界のどの海域にも、過去のどんな本にも記録の見つからないこの... 海の底から湧いたとしか思えなかった。 世界のどの海域にも、過去のどんな本にも記録の見つからないこの発光クラゲたちは、わたしたちが十二歳の年の晩夏に北海岸の波打ち際を覆いつくした。子どもたちは声をあげてクラゲを踏んだり投げたり、大事に持ち帰ったりし、二日後には飽きた。数が多すぎたのだ。 「オーロラ見にいかない?」と、よなちゃんが言った。 わたしたちは夜の堤防を歩いた。変質者が出たらどうしよう、とよなちゃんが肘にしがみついてきたので、ふたりでいい方法を考えた。変質者が出たら、まずよなちゃんが、あっおまわりさん、と手を振って気をそらす。そのすきにわたしが股間を蹴りあげ、ふたりで走って逃げるのだ。手をつないだふたりの残像が向こうの街灯の下に走り出てきて、あっという間にこちらの横を通り過ぎて去った。夜の海辺は風が強い。 よなちゃんが立ち止まった。わたしも立ち止まった。ここからは海岸がよく見下ろせた。