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【新刊『蓑虫放浪』】漂泊×旅×放浪――蓑虫山人(1836年-1900年)から広がる読書【ブックリスト】|国書刊行会
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【新刊『蓑虫放浪』】漂泊×旅×放浪――蓑虫山人(1836年-1900年)から広がる読書【ブックリスト】|国書刊行会
予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず、海浜にさすらへ、去年の秋江上の破屋... 予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず、海浜にさすらへ、去年の秋江上の破屋に蜘の古巣をはらひて、やゝ年も暮、春立る霞の空に白川の関こえんと、そゞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神のまねきにあひて、取もの手につかず。 (松尾芭蕉『奥の細道』序文より)「かへらないことが 最善だよ 。」 (金子光晴「ニッパ椰子の唄」より)今回刊行した望月昭秀(文)・田附勝(写真)『蓑虫放浪』の担当編集Iと申します。 「蓑虫山人って誰?」という方が大半かと思います。知らないですよね普通。でも、そのような方にこそぜひ手にとっていただきたい本です。 詳しくは本書にゆずりますが、1836年に美濃国(いまの岐阜県)に誕生。美濃(みの)の国に生まれたことと、生活用具一式に折りたたみ自在の簡易式住宅を背負って旅をした姿を蓑虫になぞらえ「蓑虫山人」と名乗ったといいます。 幕末から明治にかけて北は青森から