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インターネットのふるさと|sdqlp
「白玉か何ぞと人の問ひしとき露と答へて消なましものを」 伊勢物語第六段「芥川」で有名な、在原業平に... 「白玉か何ぞと人の問ひしとき露と答へて消なましものを」 伊勢物語第六段「芥川」で有名な、在原業平によって詠まれたこの歌を安吾は「文学のふるさと」のなかで引用している。 モラルがないこと、突き放すこと、私はこれを文学の否定的な態度だとは思いません。むしろ、文学の建設的なもの、モラルとか社会性というようなものは、この「ふるさと」の上に立たなければならないものだと思うものです。もう一つ、もうすこし分り易い例として『伊勢物語』の一つの話を引きましょう。 昔、ある男が女に懸想して頻りに口説いてみるのですが、女がうんと言いません。ようやく三年目に、それでは一緒になってもいいと女が言うようになったので、男は飛びたつばかりに喜び、さっそく、駈落ちすることになって二人は都を逃げだしたのです。芥の渡しという所をすぎて野原へかかった頃には夜も更ふけ、そのうえ雷が鳴り雨が降りだしました。男は女の手をひいて野原を一
2019/12/15 リンク